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「手のひらサイズSOFC」開発に成功

 フタバ産業株式会社(本社:愛知県岡崎市、代表取締役社長:魚住 吉博)は、東京科学大学 未来産業技術研究所(所長:細田 秀樹)、東京理科大学(学長:石川 正俊)、太陽誘電株式会社(代表取締役社長執行役員:佐藤克也)と共同で、高温で動作する固体酸化物形燃料電池(SOFC)※1を手のひらサイズまで小型化し、発電を実現する高断熱・耐熱マイクロリアクター※2の開発に成功しました。

 ※1 固体酸化物形燃料電池(SOFC)...水素と酸素の化学反応によって電気を生み出す燃料電池の一つ。高温(600~1000℃)で動作する。

 ※2 マイクロリアクタ―...微細な空間で化学反応を行う装置。


■当システムの特徴
 ・オフグリッド電源※3として有力視され、高効率発電、高温動作、燃料の多様性に特徴がある固体酸化物形燃料電池(SOFC)を手のひらサイズまで
  小型化
 ・多層断熱構造により、内部温度が600℃の環境でも手で持てる断熱性を確保。さらに、平板形状の金属支持体※4を搭載することで高速起動を実現
 ・SOFCの特徴である高温動作に対して、熱膨張に自由度を持たせるカンチレバー構造※5により高い耐熱性を確保

 ※3 オフグリッド電源...電力会社の送電網(グリッド)に接続せず、独立して電力を供給するシステム。

 ※4 金属支持体...燃料電池の構造を金属基板で支持するタイプのSOFCセルであり、急速な温度変化にも強く、従来のセラミック支持型セルと比較して高速起動や小型化に適した構造

 ※5 カンチレバー構造...支持部材に一端のみ固定し、他端を固定しない構造のこと。一端のみ保持することで熱膨張などの応力が緩和され、セルの破壊などを防ぐことができる。


<手のひらサイズのSOFC>
製品別戦略_未来に向けた挑戦_SOFC_背景あり.png

■社会への貢献
 本研究の成果は、ポータブルエネルギーシステム※6への展開を可能にし、将来的にはドローンやロボットをはじめ、送電網から離れた場所で活躍するエッジデバイス※7へ直接給電できる高エネルギー密度のオフグリッド電源としての応用が期待されます。
 さらに、多様な燃料を選択できる特長を活かし、バイオ燃料※8(例:バイオエタノール)を利用することで、カーボンニュートラルの実現にも貢献できると考えています。

 ※6 ポータブルエネルギーシステム...持ち運び可能な電源装置で、場所を問わず電力を供給するシステム。

 ※7 エッジデバイス...取得したデータを現場で分析・判断する省電力型の電子機器のこと。

 ※8 バイオ燃料...生物由来の再生可能な資源を利用して作られた燃料のこと。


■今後の活動
 ・共同研究先との連携を強化し、発電性能とエネルギー効率の向上を図るとともに、実用化を見据えた試作・評価を推進し、
  応用研究を継続・加速します。
 ・幅広い電源用途の可能性を探索します。


<開発のポイント>
 フタバ産業は、排気系システムをはじめとする自動車部品事業で培った「熱マネジメント」や「熱・流体挙動解析を活用した最適設計」の技術を活かし、本共同研究では、熱の循環と、流体の効率的な利用によるポンプレス化を実現する筐体の開発に取り組んでいます。この未来思考の電源を実用化することで、社会に幅広く「環境」「安心」「豊かな生活」という価値提供を目指してまいります。